ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー 2018大賞受賞記念対談

設計部が語る
「大賞までの5年間」
そして

  • 泉北ホーム株式会社
    設計部 部長 一級建築士
    藤田 剛
  • 泉北ホーム株式会社
    設計部 課長 一級建築士
    長谷川 純一

「『大賞を目標にしない』『大賞をとるための、
買えない価格の家であってはならない』
ということは、ブレないように意識していました」。

ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジーに初めて応募した2014年に特別優秀賞を受賞して以来、毎年何らかの賞を受けてきた泉北ホーム。主導となって進めてきた設計部の部長・課長に、今回大賞を受賞するまでの道のりを語ってもらいました。
「あくまでも大賞は、お客様にとってわかりやすい目安のひとつです」と部長。では、「本当の目標」とは何なのか。泉北ホームの家づくりを支える設計部のポリシーとは(…と言うと、少し大げさですが)。家づくりをお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

省エネ性能向上は、
住む人の健康を守ることにつながっていた。

藤田 泉北ホームでは、以前から長期優良住宅の基準を満たすなど、住まいの省エネ性能向上に取り組んでいましたが、現在ほどではありませんでした。というのも、光熱費の削減を目的とするなら、導入する設備をしっかり検討するだけでも効果が得られると考えていたからです。しかし、省エネ関連のセミナーに参加し、さまざまな教授と対話を重ねる中で、次第にその重要性がわかってきたんです。

それは、省エネ性能のキーポイントである気密・断熱性は、住む人の「健康」にも大きく影響するということ。英国では、「室温の低下にともなって健康リスクが高まる」という研究結果が出ているのだそうです。そのため、たとえばドイツでは断熱性の高いトリプル(3層)ガラスの窓サッシがホームセンターでも手軽に買うことができるのだとか。日本では、ペアガラスがあれば珍しい方でしょうか。「気密・断熱性は、衣食住の『住』における健康性能である」という理解を得たことで、いっそう省エネ性能向上に注力していくようになっていきました。

初応募で初受賞。
そして4年連続受賞を経て、周囲も変化。

藤田 応募のきっかけは、セミナーの講師の方から「ここまで省エネ性能にこだわっているなら、ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジーに応募されてみてはどうですか」と言われたことです。自分たちの取り組みが、業界内でどの程度のレベルにあるのかを知る良い機会だと感じたこともあって応募したところ、特別優秀賞をいただくことができたんです。

長谷川 驚きましたね。こういう賞をいただくのは初めてだったので、とても誇らしく感じたのを覚えています。ただ、設計部以外も含めて会社全体が受賞に沸いたかというと、残念ながらそうではありませんでした。

藤田 そこは、もっと設計部を中心に社内外に情報を発信していく必要性を感じましたね。他のハウスメーカーよりも泉北ホームの方が、低価格・高性能というケースもよくありましたから。そこで2年目からは長谷川にも協力してもらいながら、周囲を巻き込んだ大きな取り組みへと加速させていったんです。

長谷川 部署内外に周知させていくことが重要でしたね。特に高気密・高断熱な住まいを建てるためには、施工の丁寧さが影響するので、社内だけでなく協力会社も対象としたセミナーを開催するなど、私たちが目指すところをご理解いただけるように取り組んでいきました。

藤田 あまり急激な変化になると周囲の負担も大きくなるので、長谷川には、私がやりすぎないようにブレーキ役も担ってもらっています(笑)。

長谷川 部署内外の調整は私の役割ですね(笑)。ただ藤田の行動はすべて「泉北ホーム、ひいてはお客様の住まいをより良くする」という方向を向いていますので、「その勢いを止めてしまってはいけない」という思いはあります。

藤田 おかげさまで、応募2年目の2015年には優秀賞・審査委員賞、2016年・2017年にはいずれも特別優秀賞・優秀企業賞をいただくことができました。4年連続受賞したことで、社内外の反響はだんだん大きくなっていきました。最近では、お客様の中にも住まいの省エネ性能について知識と関心をお持ちの方が増えてきているように感じます。

「大賞」のためではなく、
すべては「健康な住まい」のため。

藤田 さらに上の賞ということで、大賞は視野にありました。しかし、正直言って今回いただけるとは思っていませんでした。というのも、2018年から「~10棟」「11~99棟」「100棟以上」の3部門から1社ずつ大賞が与えられることになったからです。「100棟以上」の部門に入ることになって名だたる大手メーカーと同じ土俵で競うことになるので、甘くはないだろうと考えていました。

長谷川 「大賞は10年以内を目処に取れればいい」「まずは3年連続の特別優秀賞を」と話していましたからね(笑)。正直言って、今でも大賞をいただいたという実感はありません。受賞の決め手は、ガス・電気・ハイブリッドすべてのインフラに対応した商品ラインナップだったと小耳に挟みました。お客様の生活スタイルに合わせて選択できるということは、省エネ性能に優れた住まいの普及にもつながるというのもあるのでしょう。2015年に審査委員賞をくださった芝浦工業大学・秋元教授断熱等を研究されている岩前教授に助言を求めたり、鎌倉や富山など全国各地の設備メーカーを見て回ったりと、標準仕様のベースアップを目指していろいろ取り組んできたことが実を結んだといえるかもしれません。

藤田 そうですね。ただ、明確にしておきたいのですが、それらは決して「大賞を取るため」の取り組みではないということです。前回までのハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジーでは、年に数棟だけ高予算で建てる小規模のハウスメーカーが、審査上有利になるケースがあったそうです(そのため、2018年から年間の建築棟数によって部門を分割)。だからといって、泉北ホームもそれに倣おうというのは違います。そうした手法はオーバースペックになりがちですし、「賞のために家を建てる」ことになっては本末転倒です。すべては、「お客様の健康を守る住まい」のための取り組み。大賞はその「性能の証明」になればという思いがありました。その意味で、今回の受賞はとてもうれしいです。ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジーの大賞を受賞したことで、他のハウスメーカーとの比較において、「性能面で劣ることはありません」と胸を張って言えますから。

「泉北ホームなら性能は安心」と、
家づくりを楽しんでほしい。

藤田 気密・断熱性も耐震性もそうですが、性能というのは、一度建ててしまったら基本的にはもう変わりません。だからこそ「良い性能」の住まいを建てることは、私たちにとって大前提です。デザインや間取りなど、住宅設計において大切なことはいろいろありますが、だからといって「デザインが良ければ寒くてもいい」「地震で住めなくなってもいい」という人はまずいないでしょうから。

長谷川 私は以前設計事務所に勤めていたということもあり、デザインへの意識は強い方でした。しかし、泉北ホームで藤田とともに性能に取り組み、有識者の話をうかがうにつれて、目に見えない「性能」の重要性を実感するようになっていきました。藤田が言うように、性能は大前提。そのうえで今は、お客様が何を求められているかを大切にしていきたいと感じています。幸い、泉北ホームでは営業だけでなく設計やインテリアコーディネーターとも打ち合わせる機会が多々あります。ぜひお客様には、家を「買う」のではなく、私たちと一緒に「建てる」ものと考えて、お話を聞かせていただきたいと感じています。お客様がどういう暮らしをしていきたいか、そこだけは、私たちが先回りしてご提案できない部分ですから。

藤田 本当にその通りです。今回の大賞受賞で、「性能は、泉北ホームに任せておけば安心」と思っていただけたら何よりです。性能以外の部分について、将来の暮らしを思い描きながら、楽しんで家づくりに取り組んでいただけたらとてもうれしいです。

たとえ泉北ホームを選ばれないとしても、ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジーに応募されているハウスメーカーを選んでいただければ間違いないかと思います。他社との厳しい競争の場で比較されることをいとわず、高い意識を持って取り組まれているところばかりですから。

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