暮らし・育児
2021.08.30
非常食の賞味期限を切らせないワザ
災害に備えて、5年前に非常食をたくさん買って準備してるから、台風や地震が来ても大丈夫だ。
市販製品の賞味期限の多くは最長3年程度らしいけど、大丈夫かニャあ…。
災害が発生した、もしくは発生する前によくあることといえば、食料の買い占め。
というのも、十分な食料を備蓄していない場合において、食料の確保が最優先されるからです。
慌てて買い出しにいかなくても済むように普段から備蓄をしていくことが望ましいです。
ただ、備蓄の必要性を感じている方も、実際に食料を備蓄しておくことはなかなか難しいもの。
それに、何がどれくらいあるのかということを定期的に確認したり、食べ方を知っておかなければ、いざという時に賞味期限が切れていたり、温めなければ食べられず、食事にありつけなかったりするかもしれません。
そこで、今回は目からウロコの備蓄法についてご紹介したいと思います。
非常用食料を用意している世帯の割合は53.8%
多くの世帯が備蓄をしている
内閣府が2016年に実施した意識調査によると、住んでいる地域に大地震、大水害などの大災害が発生すると考えている人は6割を超え、災害に対する取組みとして、38.2%の人が食料や飲料水を蓄えているそうです。
また、「令和元年 国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によると、災害時に備えて非常用食料を用意している世帯の割合は53.8%にのぼるということでした。
災害の多発もあってか、多くの世帯で備蓄をしていることがわかります。
備えてはいたけれど…
大半の人が備蓄食品の賞味期限が切らしている
ただ、通常の非常食は3~5年ほど保存できる乾パンや缶詰などを備蓄しておき、消費期限が切れるころに入れ替えるが、消費期限が切れていたり、消費期限が近づいたときには、毎日食べ続けて一気に入れ替えなければならない…といったことになりやすいです。
また、食べ慣れていないため、非常時に食べ方にとまどったり、調理に必要なものがそろっていなかったりすることもあります。
実際に、「独立行政法人 国民生活センター」の調査によると、6割以上の人で備蓄食品の賞味期限が切れた経験があったそうです。
秘技!ローリングストック法
日々の暮らしのサイクルに入れることで、簡単に備えることが可能に
そこでおすすめなのが「ローリングストック」という日常の中に食料備蓄を取り込むという方法です。
ローリングストックとは、災害時に備えた食品の備蓄方法のひとつ。
普段の食事に利用する缶詰やレトルト食品などを備蓄食料とし、製造日の古いものから使い、使った分は新しく買い足して、常に一定量の備えがある状態にしておくもの。
備蓄を循環させるイメージですね。
そうやって、日々の暮らしのサイクルに入れることで、簡単に備えることが可能になります。
どれくらいの量を備えておけけばいいのか?
できれば1週間分、最低でも3日分の食料・飲料を備える
国の指針では、できれば1週間分、最低でも3日分の食料・飲料を備えるとされています。
というのも、大災害が発生した際、人命救助のリミットである72時間(3日間)は、生存者の救助が優先されます。
そのため、物資が被災地に届き配給が本格化するのは4日目からとなります。
ご家族の命を繋ぐために、最低でも「家族の人数×3食×3日分」を備えておきましょう。
具体的な備蓄の種類や数量は?
チェックリストを確認!
具体的に準備しておくべき備蓄品の種類や数量が分からない場合も多いと考えられますので、農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイドチェック」からリストを抜粋してみました。
★主食
□パックご飯、精米
□カップ麺
□缶詰パン、乾パン
□パスタ、乾麺
★主菜
□肉・魚の缶詰
□レトルト食品
□乾物
□フリーズドライ食品
★副食
□梅干し、漬物
□日持ちする野菜
□野菜、果物の缶詰
□インスタント味噌汁、スープ
また、その他、お菓子や嗜好品、乳製品、調味料など家族の好みに合わせて準備しておきましょう。
飲料水の備蓄は?
「家族の人数×3食×3日分」が必要
食料だけはなく、飲料水も必要ですよね?
一般的に、成人1人につき1日に約3リットルの水分が必要であると言われています。
ということは「家族の人数×3L×3日分」の量が必要ですよね。
ご家族の人数が4人であれば、下記の量が必要です。
4人×3L×3日分=36L
36Lということは、2Lのペットボトルケースで18本(3ケース)が必要となる計算です。
どこに備蓄する問題
パントリーが使いやすい
ローリングストック法で重要なのは備蓄の「見える化」です。
収納するときは、取り出しやすケースや箱に入れて何があるか、見てわかるようにするのがコツ。
こうして整理しておけば、片付けてみたら「同じ食品が大量にあった」なんてことも防げます。
側面に賞味期限を書いておくと、パッと見て賞味期限が分かるので、「ローリングストック」を実践しやすくなります。
古いモノを奥に補充して、手前のモノから使いましょう。
実践するにあたって、キッチンの近くにパントリーがあると非常に便利です。
特に、奥行を45㎝くらいに浅めにとっておくことで、食品がいつまにか奥に埋もれてしまうことを防げます。
生活用水はどうするの?
エコキュートなどのタンク内の水を活用
水は飲む以外にも使いますよね?
お風呂に水を張っておくということが、事前に予測できない災害であれば対策しておくことは難しい。
それに、被災直後は道路の寸断などで応急給水車がすぐに来られない可能性もあります。
なにより、応急給水の行例に並び、ポリタンク等に入れた重い水を持って帰ることは大変な労力です。
ただ、貯水式の給湯器であれば、災害時はタンク内の水を生活用水として活用できるかもしれません。
例えば、高性能給湯器であるエコキュートには非常用取水栓が装備されていますので、タンク内の水を生活用水として使えます。
そのまま飲み水としては適しませんが、トイレの水や食器類を洗う水などにご使用ください。
取り出し手順は貯湯ユニットに記載されていると思いますので、確認してみてください。
これからマイホームをご検討されている方は、住宅会社で標準採用されている給湯器を要チェックです。
今はおいしい非常食も販売
ぜひ、ローリングストック法を実践してみてください!
いざという時に、苦手な味のものばかりだと、心まで疲弊してしまいますよね?
ただ、非常食がまずいというのは過去の話です。
今はおいしい非常食もたくさん販売されています。
スーパーマーケットの防犯防災コーナーには、さまざまな非常食が陳列されていますので、日常の買い物ついでにチェックしてみてください。
普段から試食して、好みの味を見つけるなど楽しみながら「ローリングストック法」を実践してみましょう。
大半の人が備蓄食品の賞味期限が切らしている。
日常の中に食料備蓄を取り込む「ローリングストック法」がおすすめ。
普段から試食して、好みの味を見つけるなど楽しみながら実践してみよう。