ぼくらの家ラボ

土地

2023.05.06

防火地域・準防火地域・法22条区域に家を建てるなら?

防火地域と準防火地域と法22条区域、聞いたことはあるけどよくわからないなぁ。

防火地域・準防火地域・法22条区域は火災の危険を防ぐために定められる地域ニャ。
家づくりをするにあたって知っておいて損はないニャ。

防火地域・準防火地域・法22条区域は、市街地で火災が起きたとき、延焼をできるだけ防ぐために都市計画で指定される地域のことです。
これらの地域で家を建てる場合、構造や建物の規制が強化されます。

今回は、この3つの地域の特徴や違い、家づくりをするにあたって注意するべき点をご紹介していきたいと思います。

防火地域・準防火地域・法22条区域とは

火災被害を広げないために建築制限がある地域

■防火地域
駅前の繁華街や建物の密集度が高いエリア、幹線道路沿いなどで火災被害を広げないための厳しい建築制限がある地域です。

■準防火地域
防火地域を囲うように準防火地域があり、家と家の間隔が狭い住宅街などが主に指定されます。火災被害を広げないための厳しい建築制限があります。
大阪府内ではほとんどが準防火地域です。

■法22条区域
防火地域と準防火地域以外の主に木造住宅が密集している地域に指定されるものが法22条区域です。準防火地域を囲むように指定されることが多いです。

防火地域・準防火地域などに家を建てるには?

火事に強い家にすること

防火地域・準防火地域などに家を建てる場合は、延焼を防ぐために火事に強い家にする必要があります。自分の家が火事になってしまったとき、周りの家に燃え移りにくいように、また隣家が火事になってしまったときも、火をもらいにくい家でなければなりません。

火に強い家にするためには?

火に強い素材を使用する必要がある

厳しい建築制限が設けられている防火地域・準防火地域では、外部と接する屋根・外壁・窓・玄関ドアなどを、防火認定を受けた火に強い素材に切り替える必要があります。
窓には金網がガラスの間に入っている防火窓を使用、もしくは通常の透明ガラスに防火シャッターをつけなければなりません。

ただ、外壁材や屋根材は基本的にほとんどの商品で防火認定を取っているので、特に切り替える必要はありません。防火地域など地域とそれ以外の地域で商品を使っています。
切り替えが必要な窓には特に注意です。

防火認定を受けた窓は少数!

通常の窓よりかなり高価に!!

金網の入っている防火窓は、金網がガラスの膨張を防ぎ、延焼の被害拡大を防ぐことができます。サッシの部分も含めて全体的に熱に強い構造となっているところが大きな特徴です。

防火窓は、防火機能を持つ素材やそれを証明するための検査・認証や、製造手間によって、通常の窓と比較して大変高価な窓となります。

おまけ:網なし防火戸もある!
さらに高価になりますが、網なしの防火窓もあります。視界がクリアになり、雰囲気が明るくなるので、デザインを重視される方にはおすすめです。

安く見せるために窓の性能を下げる会社が??

かなり安くなるが、安易に性能を下げるのは危険!

防火窓は通常の窓より高価なため、防火地域・準防火地域で建てる家は、非防火地域よりも約30坪で80~100万円も高くなってしまいます。

そのため中には、窓の性能を下げて非防火地域と同じ価格に見せる住宅会社があります。極端に言えば、標準仕様は樹脂窓でも、防火地域・準防火地域ではアルミの防火窓になるということです。
確かに性能を下げると安くなりますが、安易に選ぶのは危険です。

価格を重視して、窓の性能を落とすと?

室内温度を保ちづらく、家族の命・健康に影響を及ぼす

アルミでできた窓は樹脂に比べて断熱性能が低いため、熱を通しやすく、夏は外の暑さを家の中へ、冬は家のあたたかさを外に逃がしてしまいます。

そのため、エアコンを付けても効きづらく、健康や快適が守れない家になってしまいます。また、結露もしやすい窓となってしまうため、木材が痛んでしまったり、クロスのめくれ、カビやダニの発生など、家を維持していく上で良くない事態を引き起こします。

どのエリアで建てるにしても、窓は注意しよう!

窓から快適な家にする

防火地域・準防火地域であっても、窓の性能を落とさないことが大事です。
防火と断熱の観点から性能の良い窓を選び、家族の命と健康を守りましょう。

  • 防火地域・準防火地域などは火災の延焼を予防しなければならない地域

  • 価格を安く見せるために、窓仕様を下げる会社に要注意!

  • 室内温度を保ちづらく、家族の命・健康に影響を及ぼす