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#対談   |  2023.10.6

岩前教授との出会いから9年。歩み続ける泉北ホーム

  • 山本 隆

    泉北ホーム株式会社 代表取締役社長

    山本 隆

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  • 藤田 剛

    泉北ホーム株式会社 商品企画設計 主務

    藤田 剛

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  • 岩前 篤 氏

    近畿大学 副学長 アンチエイジングセンター副センター長

    岩前 篤 氏

    プロフィール

    1986年、神戸大学大学院を修了後、ハウスメーカーに入社し、住宅の断熱・気密・防露に関する研究開発に携わる。2003年、同社を退社したのち、近畿大学理工学部建築学科に助教授として就任。2009年教授、2011年建築学部長、2021年アンチエイジングセンター副センター長、2022年には近畿大学副学長に就任。2016年の泉北ホーム主催の健康住宅セミナーでの講演を経て、2021年泉北ホームとの共同プロジェクトを始動。 その他、経済産業省建材トップランナー制度審議会委員、環境省温暖化対策住宅分科会委員、国土交通省スマートウェルネス住宅研究委員会委員などの活動を通して、国や市などの建築の省エネにかかわる技術的な評価、開発に携わる。 ※プロフィールは2023年時点のものです。

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山本 隆

泉北ホーム株式会社 代表取締役社長

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藤田 剛

泉北ホーム株式会社 商品企画設計 主務

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岩前 篤 氏

近畿大学 副学長 アンチエイジングセンター副センター長

岩前 篤 氏

1986年、神戸大学大学院を修了後、ハウスメーカーに入社し、住宅の断熱・気密・防露に関する研究開発に携わる。2003年、同社を退社したのち、近畿大学理工学部建築学科に助教授として就任。2009年教授、2011年建築学部長、2021年アンチエイジングセンター副センター長、2022年には近畿大学副学長に就任。2016年の泉北ホーム主催の健康住宅セミナーでの講演を経て、2021年泉北ホームとの共同プロジェクトを始動。 その他、経済産業省建材トップランナー制度審議会委員、環境省温暖化対策住宅分科会委員、国土交通省スマートウェルネス住宅研究委員会委員などの活動を通して、国や市などの建築の省エネにかかわる技術的な評価、開発に携わる。 ※プロフィールは2023年時点のものです。

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コストパフォーマンスに優れた断熱・気密性の高い住まいを提供し、多くのお客様からお選びいただいている泉北ホームですが、こうした性能重視の住まいを志すきっかけとなったのが岩前教授との出会いでした。それから9年の月日が経ち、今また住宅を取り巻く環境は新しい局面を迎えています。お互いの9年間を振り返りながら、これからの家づくりについてあらためて岩前教授と泉北ホーム代表山本、設計士藤田が語り合いました。

※こちらのインタビューは2023年10月6日に行われたものです。

9年前の出会い

デザインは十人十色だけど、 健康でいたい人は全員。

藤田

岩前教授との出会いは、9年前に参加させていただいた断熱・気密性についてのセミナーでしたね。実はあの頃、今後の商品開発の方向性をどうすればいいのか悩んでいたんです。セミナーで「デザインは十人十色だけど、健康でいたい人は全員」というお話をうかがって「これだ!」と思いました。

岩前教授

2014年頃ですね。2009年に省エネルギー法に大きな改正があったのですが、本題の断熱・気密性ではなく、エアコンなどの省エネ家電の承認ばかりが取り沙汰されていました。そうした流れを変えたいという想いもあって、積極的にセミナーを行っていた記憶があります。

藤田

その後さまざまなスピーカーによって同様のセミナーが開催されるようになりましたが、岩前教授はその走りでしたね。だからこそ非常に衝撃を受けたのをよく覚えています。「社長にもぜひ話を聞いてもらいたい」と考え、岩前教授と引き合わせてご相談をさせていただきました。

山本

昔ながらの家は寒い家が多く、身近な方がお風呂やトイレで倒れて亡くなるといったことも経験してきたので、高断熱・高気密に優れた家を建てていかなければならないと感じました。それもできるだけリーズナブルに。

9年間の取り組み

性能重視への方針転換を決断できた会社は、ごくわずか。

藤田

岩前教授との出会いをきっかけに、私たちは性能の追求に大きく舵を切っていくことになりました。いろいろなことがありましたが、やはり思い出深いのは「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー(HOY)」への取り組みですね。現在に至るまでに大賞を2度いただきましたが、特別優秀賞などを受けた当初は社内の反応はまだ薄かったです。断熱・気密に取り組む意義が、十分伝わっていなかったのだと思います。そこで経営陣を巻き込んで開発した商品が「+℃ermo(プラスサーモ)」です。これまでは設計部が商品を開発したら、販売は営業力任せなところがあったのですが、お客様にダイレクトに商品の魅力を伝えるために、カタログもしっかりと作り込んでいきました。

岩前教授

あのカタログを見た時は本当に驚きました。私も以前ハウスメーカーで販促の協力をしていたのですが、こうしたツールはどちらかというと営業が顧客に「詳しいことはこれに書いています」とラクをするためのものになってしまっていることが往々にしてあったんですね。しかし、泉北ホームさんのカタログは顧客に直接訴えかけている。これまで顧客は営業から情報を仕入れる他ありませんでしたが、今はインターネットなどを駆使して能動的に情報を仕入れる時代になっています。媒体こそ違いますが、あのカタログはその先駆けだったかもしれませんね。

藤田

はい。セミナーでうかがったお話が本当に面白かったので、それをお客様にもわかりやすく噛み砕いて伝えようと、表現について何度も打ち合わせを重ねていきました。あのカタログをきっかけに、泉北ホーム社内でも性能の重要性が認識されていったと思います。

岩前教授

今振り返っても、ここまで断熱・気密に取り組まれるとは想像できませんでした。9年前、同じように性能重視にシフトしたいという会社は本当にたくさんあったのですが、実際に実行できた会社は多くはありませんでした。あの頃から全く進捗がない会社も普通にありますから。やはり難しいんです。それまでの商品開発の方向性と全く違うので、突然「やっぱりこれまでの方針をやめて断熱・気密性重視で行きます」というのは経営陣にとっても自分たちの過去を否定する決断になってしまう。当然、社内からの反対もあるでしょうし、変革は容易ではなかったでしょう。

山本

そのあたりは、即断即決です(笑)

岩前教授

よくぞ決断されたなと思います(笑)。トップの方が背中を押せるかどうかはとても大きなポイントだと思いますので。

山本

私自身もカタログの企画で「建築と健康の関係」というテーマで岩前教授と対談させていただき、あのときのお話に非常に感銘を受けましたから。

現在の状況・これからの家づくり

性能と価格のバランスをギリギリまで追求されている。

藤田

断熱・気密性はもちろん、それを維持するための耐久性や耐震性も重要だと考えています。どんなに断熱性能が良くても災害によって住めなくなってしまっては問題ですから。耐久性については岩前教授からもアドバイスをいただき、ルーフバルコニーの実験などを監修していただいているところです。特に、ルーフバルコニーについては明確な耐久性の基準がないんですよね。

岩前教授

断熱・気密性とは異なり、耐久性は事故が発生して初めて気づく部分ですから。ルーフバルコニーについては、以前は単純に「あまり良くないから使わないでおこう」で終わっていたのですが、近頃人気を集めるようになってあらためて精査する必要ができたんですね。こうした市場の傾向など、現場レベルの話は泉北ホームさんから教わっている部分です。

山本

「逆目線」でお客様の視点から考え、対策や動線など、より良くできるポイントがあればそれを改善していくのが私たちのスタンスです。断熱・気密性も耐久性も、お客様のニーズを汲み取りながらリーズナブルな価格で実現していけたらと考えています。

藤田

「いいものができました。その代わり高級品になりました」ではいけないというのは、社長から教わってきたことです。とはいえ、より良いものをお届けしようと思うと、どうしても価格は上がってしまいます。そのあたりは「このためなら値上げは妥当か」「これは外しても問題ないか」、本当に必要なものを厳選して費用対効果に優れた商品をご提供できるように、社長とも話し合いながら取り組んでいます。実際、値上げをさせていただいても昨年よりお客様が増えてきているのは、その価値がきちんと伝わっているからだと感じています。

岩前教授

性能が上がればコストも上がって当然です。安さだけを売りにするのは感心しませんが、泉北ホームさんの場合は性能と価格のバランスをギリギリのところでとられていると感じます。

岩前教授

これまで私自身が取り組んできた断熱・気密性の向上という方針は、社会的にも正しいものでした。極端な話、私が行動しなくても、世の中は自然とこの方向に進んでいたと思います。私はそれを早めるために動いてきたに過ぎません。「本当にいい暮らしとは何か?」を突き詰めれば、「いい暮らしをするためにはいい家が必要」という答えに行き着きます。「自然に近い家」に憧れる方は少なくありませんが、実際に住んでも長続きはしません。最初は楽しくても3年もすれば蓄積した疲労で疲れた顔になっていきます。大阪は経済規模は日本有数でありながら、住まいに関してはまだまだレベルの低いものが並び立っているので、逆に言えば伸びしろがあると言えます。光熱費はこれからも上がらざるを得ません。断熱・気密性はさらに重要になっていくと思います。

山本

おっしゃる通りですね。努力して我慢して省エネするのではなく、泉北ホームの家に住んでいただくことで環境に優しく、人の体にも優しく、ひいては住む人の心にもゆとりが生まれてくるような家づくりに取り組んでいけたらと思います。

岩前教授

高性能な住まいを追求されてきた泉北ホームさんは、関西でも頭ひとつ抜きん出た成功モデルのような会社になられています。これからも「いい家」を増やすために、地域を牽引していただければと思います。

山本

ありがとうございます。

2014年に出会って以来、長年にわたってお付き合いいただいている岩前教授と、これまでとこれからを語らう貴重な機会をいただきました。
私たち泉北ホームにとって、とてもうれしいお言葉をたくさんいただきましたが、満足することなくより「いい家」を関西に増やしていくために取り組んでいきたいと思います。
お客様の視点に立った「逆目線」から考え、これからも成長し続けていきます。今後の泉北ホームにも、ぜひご期待ください。

山本と岩前

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